あだ名は「ベッカム」や「ジョージ」より、タイ語のレック(小さい)やマイ(新しい)にしませんか――。タイ文化省が、タイ語のあだ名の奨励に乗り出すことを決めた。子どもに英語のあだ名を付ける親たちが急増し、このままでは「伝統が壊れる」との危機感からだ。年末までにタイ語のあだ名を解説した要覧をつくり、その魅力を訴える。
タイでは、親が子どもに本名以外にあだ名を付け、大人になっても家族や友人、会社の同僚などの間ではあだ名で呼び合うのが一般的だ。
文化省が今年6月、東北部のコンケン県で約3000人を対象にあだ名を調査したところ、約46%にボール、オイルといった英語名が付いていた。しかも、英語の割合は年齢が下がるに連れて急増していた。
同省では、外国の映画やテレビ番組などを通じて英語が身近になったのに加え、歌手やスポーツ選手に英語のあだ名を持つ人が多いことが影響していると分析する。
例えば人気男性歌手トンチャイはバード、男子テニスのパラドーン選手はボール、アテネ五輪女子テコンドーで銅メダルを取ったヤオワパ選手はビュー。新聞の見出しには本名ではなく、あだ名が躍ることも多い。
よく報道される外国人の名を「響きがいい」と拝借するケースや、英語のほかにも日本のアニメ「一休さん」からとったイッキュウなど、タイ語以外のあだ名は着実に増えているという。
一方、よくあるタイ語のあだ名はトゥッカター(人形)、プロイ(宝石)、ノック(鳥)など。文化省がつくる要覧では様々なあだ名とその意味を紹介し、親が誇りを持てるようにしたいという。
担当者は「年を取ってからも似合うのはタイ語のあだ名。親御さんにはよく考えてもらいたい」と話している。
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