〈さらにパワーアップ!アジアの熱風が大阪に!〉
◆昨年《大阪発。日本全国、そしてアジアへ!》を新キャッチフレーズに再出発した大阪アジアン映画祭。東京上映済み作品や配給会社提供作品が時をおいて大阪に来るのではなく、ここ大阪がいち早くアジア映画の新しい息吹を発見・紹介する拠点となること、ひいては大阪がアジアン・カルチャーの交流・発信拠点となることを目指したその方向性を、今年のプログラムはより強固に推し進めたものとなりました。昨年以上に日本初上映作が並ぶだけでなく、アジア初上映、海外初上映(製作国以外における初上映)作も含まれます。
◆開幕は、香港の鬼才ジョニー・トー初のフランスとの合作『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』。閉幕は、『妻の愛人に会う』が絶賛されたキム・テシク監督による日韓合作『東京タクシー ディレクターズ・カット版』。共に「アジア映画」がその監督の属する特定の一国ではなく跨国境的に作られる時代の本格化を告げる傑作です。そしてその最先端を行くのが、本映画祭史上初の“アメリカ映画”『ホワイト・オン・ライス』。裕木奈江をヒロインに、日本語台詞が過半を占める本作は、昨年のおおさかシネマフェスティバル上映作『スラムドッグ$ミリオネア』とあわせ、アジア映画がアジア人という枠さえ超えて作られていく時代の始まりを告げています。
◆開幕作以外は、いずれも日本公開未定の最新作ばかり。この機会に、新しいアジアを誰よりも早く大阪で発見してください!
暉峻創三(プログラミング・ディレクター)
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